【物語】まだ使ってる物まで欲しがる義妹

義実家あるある

■ 義妹の“ちょっと寄っただけ”

土曜日の午後、息子とリビングで遊んでいると、突然インターホンが鳴った。
玄関を開けると、義妹の美咲が立っていた。

「近くまで来たから、ちょっと寄っただけ」
そう言いながら、まっすぐリビングに入っていく。

美咲の視線は、息子が夢中で遊んでいる木製の積み木に向けられていた。
最近のお気に入りで、毎日触っているものだ。

■ まだ使っている物まで欲しがる義妹

「あ、それ。うちの子にも欲しいんだよね。今日、持って帰っていい?」

あまりに当然のように言われて、私は思わず固まった。
息子は積み木をぎゅっと抱きしめ、私の方を不安そうに見上げる。

「いや…これ、まだ使ってるから」

やんわり断ると、美咲は不満げに眉をひそめた。
「えー、ケチじゃない? どうせすぐ飽きるでしょ」

胸の奥がざわついた。
最近、美咲はこういう言い方をする。

■ “おさがり前提”の買い物

「そういえばさ、この前ベビーカー新しいの買ったんでしょ? 前のやつ、うちに回してくれると思ってたのに」

「え…まだ使ってるよ?」

「えー、なんで? うち、買わないで待ってたんだよ? お姉さんが買ったら、前のが回ってくると思って」

その言葉に、背中がひやりとした。
“買わないで待ってた”——つまり、美咲は私の買い物を前提にしている。

「……必要なものは、自分で買ってね」
そう言うと、美咲は驚いたように目を見開き、すぐに口を尖らせた。

「なんかさ、お姉さんって最近冷たくない? 家族なのに」

その言葉は、まるで私が悪い母親であるかのように響いた。
でも、もう引けなかった。

■ 義妹の不満と、残るモヤモヤ

「うちの子のこと、可愛くないの?」
美咲はそう言い残し、足早に帰っていった。

玄関の扉が閉まったあと、私はしばらく動けなかった。
息子が積み木を抱えたまま、心配そうに私を見ていた。

「大丈夫だよ」
そう言いながら、胸の奥に残ったモヤモヤは、簡単には消えなかった。

■ あとがき

義妹の“おさがり欲”は、最初は節約の一環だと思っていました。
でも、まだ使っている物まで「欲しい」と言われたり、私が買う前提で買い物をしなくなったりと、いつの間にか境界線を越えていました。
「家族なんだから」という言葉は便利ですが、それを理由に何でも要求されるのは違うと思います。

次は、はっきり線を引く必要がありそうです。

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