■ 見慣れない宅配便
幼稚園の送りから帰ると、玄関に宅配便の箱が置かれていた。
差出人は義母の名前だった。
開けてみると、最近SNSで「ママに人気」と話題になっているキャラクター靴下と、売り切れ続出と紹介されていたエプロンが入っていた。
特に頼んだ覚えもないし、義母とそんな話をした記憶もない。
急にどうしたんだろう、と首をかしげながら、とりあえずお礼の電話をかけることにした。
■ 義母の“謎の把握”
電話に出た義母は、どこか満足げな声で言った。
「届いた? あなたが欲しがってたもの、買っておいたのよ」
私は思わず聞き返した。
「えっと…私、そんな話しましたっけ?」
義母は当然のように続けた。
「だって、あなたの投稿に書いてあったじゃない。“義母が苦手”って書いてあったけど、気にしないでね。あなたの気持ち、全部受け止めるから」
投稿?
私はSNSをやっていない。
ブログも書いていない。
■ 違和感の正体
「私、そんな投稿してませんよ」と伝えると、電話の向こうで義母が小さく息をのむ気配がした。
「え…? でも、あなたの写真も載ってたし…」と戸惑った声が返ってきた。
義母は慌てたようにスマホを操作しながら言った。
「ちょっと待ってね…あれ? あれれ…この人、あなたじゃないの…?」
しばらく沈黙が続いたあと、義母が小さくつぶやいた。
「…違う人だったのね。そっくりで…完全にあなたのアカウントだと思い込んでたわ…」
■ 勘違いの収束
義母の声は、恥ずかしさと申し訳なさが混じって震えていた。
「ごめんなさいね。勝手に盛り上がって、勝手に心配して…」
私は苦笑しながら答えた。
「いえ、大丈夫です。わざわざ送ってくださって、ありがとうございます」
義母はほっとしたように息をつき、
「本当にごめんなさいね。もう変な勘違いしないように気をつけるわ」
と、少し弱った声で言った。
■ あとがき
義母の“情報収集力”には、毎回驚かされます。
今回は完全に別人のSNSを私だと思い込んでいたわけですが、その勢いと行動力には、もはや感心すらしてしまいました。
「“義母が苦手”って書いてあったけど、気にしないでね。」にはゾッとしました。
思い込みで悪口を書いていると誤解されていたら、嫁姑問題に発展していたかもしれません。